溶ける温度 - Rebirth -


下降する気分が自分でも止められなくて、ウエイターさんがもってきてくれたお冷をぐっと口に流し込む。

そんな私に、満足したのか、大志さんはふふ、と声をあげて笑うと。


「だって明季ちゃんさ。私にかまって、って。全身で訴えてる感じ」


オスを誘き寄せる魅惑的なコネコちゃんみたいな。

付け加えられたその言葉の意味を理解するのが早いか、感情がでるのが早いか。
怒りも呆れも驚きも恥ずかしさも。あらゆる思いが頭を巡り、唖然としてしまった私はさぞ面白い顔になっていたに違いない。