「え?……あ、ごめんなさい、春子ちゃんとよく似た笑い方をする人がいて、なんか思い出しちゃって」


春子ちゃんからしたら、意味不明な理由が返ってきて、困ったに違いない。

異性だし、二人は性格も違うだろうし、何せ大志さんについてはまだよく分からないことも多いけれど。
そばにいるひとの心を温かくするような、そんな二人の雰囲気。私はどこか似ていると思うのだ。


「……ねぇ、その私に似ている人ってどんな人なの?」

「…今雇ってもらってる人の昔の友達。私も最近知り合っただけなんだけど、すごく、穏やかに笑うの。だけど中性的ってわけでもなくて、どこか男っぽい感じもあって。
一目見ただけで上等な男なのにそれをひけらかす性格でもなさそうで。そうそう。まっすぐ見つめてくる瞳の強さとか、時折香るマリンの香水がすごく素敵で、それで……」

「ふふふっ。とても素敵な人なのね」