乾杯の際にグラスがぶつかる衝動で、かすかにワインが揺れている。 赤くなった顔を見られたくなくて、苦し紛れにその流れに視線を落としてみたけれど。 私の動揺を二人に隠しきれていたか、全く自信がなかった。 そんな私を、真さんが何か言いたげな表情で大志さんをじっと見ていたことを。 私は知らない。