そんな私の行動に何を思ったか、真さんはメモを書いていた手と反対の手を私の頬に添えた。 「…やっぱり、泣かないんだな」 困ったような、あきれたような声で問いかけられる。 「……美弥が代わりに泣いてくれたの。だからもう大丈夫」 心の中に浮かんでは消える満さんの甘い表情や優しい声色、楽しい思い出はまだまだ消えそうにないけれど。 美弥の言うとおり、前を向かなければいけない。その思いも強く響いている。