今日一日は大志さんにドキドキされっぱなしだった。
また赤くなりそうな顔を軽く抑えながら、まだ春とは程遠い冷たい空気を肌に感じて、その熱をさます。大志さんに気付かれないようにこっそりと。
待ち合わせに使用した駅まで並んで歩く。二人の間には人ひとり入れるほどの隙間。
その距離感は先程までハンターとして追われていたことを忘れさせるほどの、微妙な距離感を保っている。
ぐいっと近づいてくるかと思ったら、さっと離れていってしまう。
今だって、手をつなぐそぶりもないし送りオオカミなんてもってのほか。
この人、本当に人との距離感がうまい。
特に女の人との駆け引きがうまいんだろうなあ。
