溶ける温度 - Rebirth -


「考え事をしていて。…せっかくもらってるお仕事なのに、私最低すぎる。ごめんなさい」

「ここ最近そんな調子だよな。なんかあったか」

「…なんか、…あったといえば、あったというか…」


微妙な私の返事に真さんは黙ったままだ。

車が発進し、ゆっくりと加速する。
流れ行く景色は深夜の漆黒そのもので、もうすぐ日付がまたぐ時間にさしかかっていた。