薄暗い廊下の突き当たり、2本の蛍光灯に照らされたMRIの文字。
振り返ると、レントゲン室の所でで直角に曲がっている廊下の先は、全く見えなかった。
私はMRI室の扉の横にある小窓から、光が漏れていた。
私はそこに近付き、看護師長に言われた様に声を掛けた。
「すいません。
第3病棟から来ました。検査に行くようにと言われたんですけど」
何の応答も無いが、中に人の気配はする。
今度はもっと大きな声で、小窓に近付いて呼び掛けた。
「すいません!!
第3病棟から来ました!!」
今度は中で物音がして、パタパタと足音が近付いてきた。そして、小窓から返事があった。
「どうぞ」
今度は聞こえた様だ。こんな面倒な検査は、早く終わらせたい。
私は鉄製の重い扉を開けて、MRI室の中に入った。
.