既に全ての灯が消え、医師も看護師もいない空間。とても昼過ぎまで患者が溢れていたとは思えない、整然と並んだベンチ。

狭い廊下の様な待合室に自分の足音だけが響き、時々振り返ってしまう。

患者のいない病院は奇妙な静寂に包まれ、何か気持ち悪い…


外来の第1内科を過ぎると、すぐ目の前に第2内科が見えてきた。内科は患者が多い為、2つに分けられている。

この棟には内科の他、受付ロビーを挟んだ反対側にある整形外科と外科があるだけで、残りは新館にある。


第2内科を過ぎ、廊下を歩いて行くとレントゲン室が見えてきた。

この辺りは窓もなく、灯が蛍光灯だけになる事もあり薄暗い。

昼間はレントゲンを撮影する患者が外のベンチに待っていて結構人もいるが、午後になり外来が終わると人の気配すらない。


私は更に、廊下の突き当たりにあるMRI室を目指した。


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