「わ、私が…飛び降り自殺?」
でも、5階から飛び降りて、殆ど怪我らしい怪我もしていないなんて…
ライターは一拍置いて話を続けた。
「君は偶然にも、ビルの横を歩いていた人の上に落ちたんだ。
それで、奇跡的に殆ど無傷で助かったんだよ」
私は愕然として言葉を失った。見知らぬ人の上に落ちて、生命が助かったなんて…
でも、もしかして――
頭痛がする程に鼓動が早くなり、息が出来なくなる。
その事実を確かめ様と口を開くが、言葉が出ない。
そんな私の様子を見て、ライターはゆっくりと口を動かした。
「その人は、君の代わりに死んだ…
理由は知らないが、身勝手に飛び降りた君の、身代わりになったんだ」
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