私は全身の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。
そんな私の一部始終を見ていたライターは、深い溜め息と共に口を開いた。
「ふう…
最初は面白半分に首を突っ込んだが、当事者を目の前にするとなかなか難しいな」
そして私にベンチに座る様に促すと、話を続けた。
「仕方ない…
君がどうして、この病院に運ばれて来たのか、知っている事を話してあげよう。
変な想像をするよりも、こうなれば真実を知っていた方が良いだろう」
ライターは余程話し辛いのか、そこまで話したにも関わらず、なかなか続きを始めなかった。
私は携帯電話を握り締め、ライターの話をじっと待った…
そして、ライターはその重い口を開いた。
「…――その携帯電話に残っていたムービィを撮影したあと、君はそのビルの屋上から飛び降りたんだ。
5階建のビルの屋上から、自殺しようとして飛び降りたんだよ…」
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