ベッドに横になり、布団を被って目を閉じた。
目を閉じると真っ暗な世界に、松山さんが血塗れの金属バットを持った姿がリアルに浮かんだ。
私にはどうしても、松山さんに殺される程の怨みをかった覚えがない。
しかしそれは、今の私がという事だ。
もしかすると、失った記憶の中に、その理由が隠されているのかも知れない。
そうだ。それに、なぜ高宮さんは、あんな時間にあんな場所にいたのだろう?
なぜ…
それに、あの人に私を助ける理由など、全く無い筈なのに。
頭の中を整理しようとしたが、私は一気に睡魔に飲み込まれ、そのまま眠ってしまった。
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