そうだ!!
そういえば、私を助けてくれた高宮さんは一体どうなったのだろう?
まさか、私の犠牲になったなんて事は…
「あ、あの…
私の他に怪我人とかは、いなかったんですか?」
看護師長は私の言葉に首を傾げて、不思議そうに答えた。
「いえ、他には誰もいませんよ」
「そうですか…」
良かった。
高宮さんは、無事だったんだ。数回会話をしただけの、私の為に怪我とかしたのでは申し訳がない。
「頭部を殴打されている様なので、無理をしないようにして下さい。それと、今日の夕方、念のためCT検査をしますので」
看護師長はそう告げると、病室から出て行った。
看護師長の背中を見送った後で時計を見ると、4時を少し回ったところだった。
極度の緊張で精神的に疲れていた事と、安堵した事で私は急激に眠くなった。
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