明るくなってようやく眠りについた私は、昼食の時間に起こされた。

重い瞼を無理矢理に開き食事を済ませると、私はいつもの様に散歩に出掛けた。


いや正確には、病棟にいると、あの時の事を思い出し気持ちが悪くなるからだ。

しかし、病院内は幽霊の噂が広がり、どこに行っても異様な空気が漂っていた。


私はエレベーターで1階に降りると、自然と足が受付ロビーへと向かった。

最近毎日来ていたから、行先に意思がないと習慣的に足が動いてしまう。


廊下から広い受付ロビーの空間に出ると、見慣れないスーツ姿の人が数人立っていた。その風貌からすると、病院でない事は一目瞭然だ。

おそらく、患者が飛び降りたという噂を聞き付け、何か事件性はないかと探りに来たマスコミ関係者だろう。


マスコミ関係者か…


そう思って眺めていると、不意に肩を叩かれた。


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