幸いな事にその夜、朝まで眠る事が出来なかった私に何事も起きることはなく、無事に夜明けを迎えた。


自分の思い過ごしに安堵したが、病院内には奇妙な事が起きていた。

あの3人が受付ロビーで会話していた様に、「飛び降りた男性は幽霊刈りに向かい、逆に呪い殺された」という噂話が広がっていたのだ。


あの3人の様子から、彼等が噂を広めたとはとても思えない。

とはいえあの時、私やあの3人の周囲には他に誰もいなかった。


では一体、この噂話は誰が広めたのだろうか?


噂は広がると共に形を変え、最終的には「深夜に幽霊と遭遇した者は呪い殺される」という内容になり、入院患者のみならず病院関係者の間にも戦慄を持って信じられた。


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