数々の不可思議な出来事があったが、納得がいかないと言っても実際に見ていた訳ではないし、そのまま病室に戻った。


私はベッドに寝転ぶと、ひたすら自分に言い聞かせた。

確かに廊下を歩いている人はいたが、病棟の入院患者という事も考えられる。

それにあの風だって、誰かが窓を開けた可能性はあるし、非常口が開いたとは断定出来ない。


いや…
むしろ、そう考える方が普通だ。

昼間あの男性患者達の話を聞いたからそう考えるだけで、最初から幽霊狩りになんて来なかったんだ。



しかし――

そんな私の希望的観測は、翌日裏切られる事になる。いや、自分の身に恐怖感さえ覚える事になるのだ。


一体何がどうなっているのか、この時の私に分かる筈などなかった…


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