布団の中に潜り込み、外の音も聞こえないにして目を閉じた。

静まり返った布団の中は、ツーンと耳をつく音が妙に大きく聞こえ、眠るどころか余計な事ばかりが脳裏に浮かぶ。


私は気持ち悪くなって、布団から這い出し時計を見た。

「0時間29分――…」
思わず動きが止まった。聞いた話では、幽霊が出没する時刻は0時30分だったからだ。

心拍数が、急激に早くなってくる…


その時――

病室の前を、足音がゆっくりと通り過ぎた。


看護師の靴はパタパタという叩く様な音ではなく、キュルキュルという床を踏み締める音だ。

この音は看護師ではない。本当に幽霊狩りに来たのだ。


だが、本当に幽霊がいるとしても、実態がないものをどうやって捕まえるつもりなのだろう?

気になった私は布団から出ると扉に近付き、廊下の様子を伺う為に道をすました。


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