高宮さんと別れた後、私は売店で飴を買った。そしてその飴を手にして、エレベーターで病棟に帰った。

待っている時に限って、あの記者は来ない…



エレベーターを降り病室に入ろうとした時、奥から2人の男性が話をしながら歩いてきた。


談話室で話をしている時には、顔が見えなくてどんな人なのか分からなかったが、この2人はさっき受付ロビーで話をしていた人達だ。

そうか…
この人達の知り合いが、幽霊狩りをしようとしていたんだ。


男性患者は、喫煙所で知り合いができたりするので、意外と病棟を越えた知り合いがいる。

おそらく今夜来るのは、他の病棟の人だ。左手にギブスをしていたところを見ると、整形外科だろう。


2人はまた談話室に入っていき、時々大きな声で笑っていた。その笑い声が、病室の壁を伝わって聞こえてくる。


何か妙に胸騒ぎがする。何も起きなければ良いけど…


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