1階に下り、昨日と同じ様に受付ロビーに向かった。
高宮さんが、またベンチに座っているかも知れないと思い、少し浮かれていた。
しかし…
受付ロビーに高宮さんの姿は見えず、代わりに若い男性の入院患者が4人集まっていた。
話し声が大きくて、2つ離れたベンチに座っていた私にも会話の内容が聞こえてきた。
「マジでやるのか?」
「何だよ、怖いのか」
「いや、ヤバイんじゃないの?
噂だと、刃物を持ってるって話だろ。刺されたりするんじゃ…」
「何言ってんだよ。この世に幽霊なんている筈がないだろ?
ガセに決まってるじゃないか!!」
どうやら、私の病棟に出没するという幽霊の話をしているらしい。
「だから、今夜俺が確かめてきてやるよ。お前ら結局怖いんだろ?
明日、幽霊はいなかったって報告してやるよ」
どうやら、4人の中で一番体格が良いスポーツ刈りの人が、幽霊の正体を確かめると言っている様だ。
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