幽霊の話はその後も暫く続いたが、余り洗面所に長居する事も不自然なので廊下に出た。 この時聞いた幽霊話は、密かに患者間に伝わり、その日のうちに病棟の入院患者の大半が知る事となった。 そしてこの噂は、病院内の好奇心旺盛な若い入院患者の間にも伝わり、幽霊が見たいという者まで現れた。 しかし、この愚かな行動が、悲劇を招く事になる… そんな事など知る由もない私は、病室に入るとベッドに横になった。 幽霊などより、今は自分の記憶を取り戻す事の方が大切だ… .