全身汗をかき、力を入れ過ぎたのか握り締めた手がなかなか開かなかった。
毎夜の様に見る不可思議な夢…
これはただの夢なのか、それとも私の過去なのか――
全身汗でシャワーでもかけたかの様に濡れていた私は、顔を洗いに行こうと薄暗い部屋の中で起き上がった。
そしてベッドから降り、スリッパを履いて病室の扉の前に立った時、微かに廊下から話し声が漏れてきた。
私の右斜め前がナースセンターで、声の主はそのナースセンターの前で話をしている様子だった。
出るタイミングを逃した私は、その会話に耳を傾けた。
どうやら看護師と、私の担当医の清水先生の様だ…
「――…分かった?
頼むよ。
いくら病院内の社宅に住んでるとはいえ、この時間は寝てるんだから、ある程度は対応してくれないと困る」
「はい、分かりました」
患者の容体が悪くなったのか、清水先生が急遽呼び出しをされたみたいだった。
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