幽霊の話をしていたのは、一番奥の部屋なのかな?
確かに有り得ない話だったけど、客観的に聞いていて、嘘や冗談を言っている様には聞こえなかったけど――
でも、やっぱり有り得ないよね…
私は手を荒い、上着で濡れた手を叩きながら自分の病室に帰った。
その日の夜――
前日と同じ様に、何とも言えない奇妙な夢を見た。
それは、丁度0時の看護師による見回りが病室に来て暫くした頃だった。
見回りの時、まだ私は眠りが浅く、看護師が来た事を知っている…
真っ赤に染まった手を、眺める女性…
私は震えながら、必死で逃げる!!
走って走って…
白い建物に辿り着き、呼吸を整えながら中に入った。
白い壁にもたれかかり、必死に呼吸を整える…
でも、真っ赤に染まったあの手が――!!
余りの恐怖に夢の中で叫び、その声に自分自身が驚いて目が覚めた。
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