由衣はその場から軽くステップを踏みながら、少しずつ私に近付いてきた。
そして私の顔を覗き込みながら、思い切り嘲笑った。
「あははは!!
それにしても、あんたは馬鹿よね。
メンバーの内、一番警戒心が強いあんたが厄介な存在だったのに、勝手にいなくなるし…
それに見付けた時には記憶喪失で、あの4人の殺人依頼の首謀者になってくれるんだから。
あの殺人依頼者からのメールが、なぜ届いたのか不思議でしょ?
メールアドレスを変えた事にして、大家から預かった鍵であんたの部屋に入って相手に連絡したからよ。
大丈夫。
あんたの事は、ちゃんと泣きながら警察に電話してあげるから…
そして私は、あんたの分も、立派に女優として明るい未来を生きていくからね!!」
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