「…――誰?」
「ゆ、由衣!?
私よ私…麻弥。あのね、今変な男に襲われているの!!」
「何?言ってる意味が、全く分からないんだけど。
どういう事?」
「だから、殺されそうになってるの!!
お願い、助けて!!」
切迫した私の様子にようやく事態の緊急性を理解したのか、由衣の声色が変わった。
「な…ちょ、ちょっとどういう事?
今どこにいるのよ!?」
「理由は後で話すから…今は、大学の駐車場――」
そこまで話した時、私は襟元を掴まれ、車外に引き出された。
その反動で携帯電話は切れ、座席の下に落としてしまった。
由衣、早く来て――!!
「どこに電話していたんだ?
もうどこに連絡しようと、間に合わないんだよ!!」
襟元を掴まれたまま、頭部に警棒の一撃を受けた――
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