私は配電盤の陰に身を潜めながら、更に見付かり難い場所を探した。
配電盤の陰といっても片側だけで、もし私が来た方向とは逆から来られると丸見えだ。
そうだ。向かいの棟にある階段の下に移動しよう。
私は周囲を見渡し、人の気配が無い事を確認して配電盤の陰から飛び出した。
建物と建物の間は約30メートル。直ぐに辿り着く…筈だった。
ちょうど中間辺り、花壇を飛び越えた所で一点を貫く様な衝撃と共にふくらはぎに激痛が走った。
私は前のめりに倒れ込み、地面で顎を擦り付けた。
何が起きたのか全く分からなかったが、右足を見るとボーガンの矢がズボンごと突き刺さっていた。
その矢を中心に、赤く滲む…
どこ…どこから狙っているの?
私は立ち上がると、足を引き摺りながら向かいの建物の正面玄関付近に飛び込んだ。
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