そう思ったのも束の間、そんな私を嘲笑うかの様に上から何かが落ちてきた。

それを目の当たりにした私は、頭の先から音を立てて血の気が引いた。


「約束を守らないお前は、その犬と同じ様になるんだ」

2階の廊下から昨日の声が聞こえ、私は振り返って見上げた。

そこには目出し帽を被った人物が、ボーガンを構えて私を見下ろしていた!!


放たれた矢が私の頬をかすめ、背後のコンクリートの塀に突き刺さった。

「次は本気で撃つ」


あんな物で頭を射抜かれれば、間違いなく死ぬ…

私はマンションに身を隠しながら壁際をすり抜け、表の道を全速力で駅前の交番に向けて走った。


300メートル程走った所で振り返ってみたが、追ってくる姿は見えなかった。

それでも、私は交番まで着くと中に駆け込んだ。


「助けて下さい!!
変な人に追われているんです!!」


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