「はい、ここにサインを御願いします」
「これで良いですか?」
「ありがとうございました!!
手渡されたのは、ミカン箱程の大きさの段ボール箱で、送り主は全く知らない人物だった。
とは言え、今の私には大半の友人も知らない人ではある。
荷物はかなり重く、移動させるにも一苦労だったので、玄関で開けてみる事にした。
ガムテープだけの簡素な包装で、簡単に開ける事が出来た。
箱を開けた瞬間、生物特有の鼻の粘膜を突く様な異臭が、一気に噴き出した。
中を覗き込むと、黒いビニール袋が入っていた。
私はそれが何であるか分からなかったが、そのビニール袋を見ただけで、本能的に背筋に悪寒が走った。
「な…何?」
私は恐る恐る、ビニール袋が開かない様にしてある上部の結び目に手をかけた。
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