大学からの坂道を下りながら、私はもう一度思い出していた。

いつの事かは分からないが、高宮さんから"暗殺者"の台本を渡され、サークルのメンバーだけのオーディションがあると言われた。

もしかして…



途中スーパーに寄り色々な物を買い込んだ私は、自宅に帰ると身の回りの整理を始めた。


結果が分かるのは、多分周囲が暗くなってからだ。

それならば、私は私で、室内の片付けをして自分の手掛かりを探そうと考えた。


テレビ台にしているローボードから始め、小物入れからタンスや引き出しを次々に開けていった。



整理を初めて3時間、既に14時を回った。

でも、それらしい物は何1つ出て来なかった。写真は幾つか出てきたものの、特に何の情報にもならなかった。


「ふう…」

しかし、記憶は徐々にでも回復しつつはある。焦らなければいずれ全て思い出しそうだ。

でも、それでは遅い…


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