一瞬でハッキリとは分からなかったが、中年男性と女性が私の方を見詰めている映像だった。
それでも私には分かった。これが私の両親だと…
「あ――…」
額から流れた血が目に入り私は我に返った。私は服で目を拭うと、再びガラスを拾い始めた。
1時間程で室内を片付けた私は、窓にゴミ袋を張り、ようやく人心地ついた。
落ち着いた私は、もう一度先程の男が言った言葉を思い出した。
多分、今日は単なる脅しだ。これが何だか分からないと、本当に殺され兼ねない…
もし相手が藤田なら、部室から荷物を全て運び出して明け渡せば大丈夫だ。
でも、あのメールの相手なら、私にはどうする事も出来ない。
いや…
それより、あの40万円というお金が一体何の代価かという事だ。
振込め詐欺などではない。
私は何かを購入…
いや依頼したのか?
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