その瞬間――
激しい勢いで窓ガラスが割れ、室内に破片が飛び散った!!
私は窓から飛び込んできた物で額を打ち付け、その衝撃で背中から床に転げ落ちた。
額から鮮血が滴り落ち、激痛と恐怖で全身から脂汗が滲み出た。
散乱するガラスに混じり、拳大の石が転がっていた。
ここにいては、次に何が起きるか分からない。
私は無我夢中で扉まで走り、外に逃げ出そうとしたが、どうした事か扉が開かない!!
余りの恐怖で、私の目からは大粒の涙が溢れてきた。
全く身に覚えがないのに突然襲われ、もう何が何だか分からなかった。
必死で扉を開けようとする私の耳に、扉の外から声が聞こえた。
「早く…
早く要求通りにしろ。早くしないと、お前は死ぬぞ…」
低く太いその声は、私の精神を打ちのめすには十分だった。私は声も無く、その場に崩れ落ちた――
.



