"麻弥ちゃん?"
誰、この人…私の事を知ってるの?
「麻弥ちゃんでしょ?
淳也の母よ。貴女からの連絡をずっと待ってたの…」
淳也…高宮さんの事?
「あ、あの…
私、1ヶ月前にその…事故に遭って、その時に頭を強く打って記憶が無いんです」
「まあ、そうだったの…
それで連絡もつかなかったのね。貴女から連絡が無いから、携帯電話を解約せずにおいたのよ。
変だとは思っていたの。貴女が淳也の葬式に来ないなんて事、有り得ないものね…」
「え――…」
葬式…
高宮さんの?
でも私は、あの病院で2週間前に会ったのに…
その後?
私の頭は一瞬にして混乱し、全く収拾が着かなくなってしまった。
「そ、それで…
それはいつの事なんですか?」
「1ヶ月前…」
1ヶ月前――!?
どういう事?
私が会ったのは、今から2週間前なのに…
では、あれは誰?
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