続けて、MAKITAという名前をプッシュした。


「…――おかけになった電話番号は現在使われておりません…」

私は絶句した。
こんな偶然なんて、あるとは思えない。3人共が携帯電話の番号を、ほんの1ヶ月の間に変えるなんて事は考えられない。

「気を付けて」という、ライターの言葉が脳裏を過る。


私はTAKAMIYAという名前も、震える指でプッシュした。

私は高宮さんに、確かに病院で会った。絶対に――!!


祈る様にコール音を待つ私の耳に、聞こえる電子音。

繋がった!!


しかし10回近くコールしても、一向に誰も出る気配は無い。

「ダメか…」

そう私が諦めかけた時、高宮さんが電話に出た。

「あ、私…円城です。高宮さんですよね!?」


必死で呼び掛ける私の声に反応したのは、なぜかしゃがれた声の年配の女性だった。

「円城…あ、麻弥ちゃん?」


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