その建物に近付くと、それが文科系サークルの集合棟だという事が直ぐに分かった。
窓ガラスに、各々のサークル名が貼り付けてあったのだ。
目の前に立ち眺めていると、演劇サークルは2階のちょうど真ん中辺りにあった。
私は建物の左側にある入口から中に入り、目の前の階段を上がった。
廊下や階段には、よく分からない道具や器材が雑然と並べられ、足の踏み場も無い程だった。
文科系サークルはこんな感じなのかも知れない。と思いながらも進んで行き、ようやく演劇サークルの部屋に辿り着いた。
隣は漫画研究会の様だ。
入口の扉前に立つと、中に人の気配がする。
部員?
サークルの人がいれば、私の事が何か分かるかも知れない。
私は入口の扉を開けると、中を覗き込んだ。
すると、中には4、5人が部屋の中心にある机を囲んで何かをしていた。
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