清水先生はそこまで話すと、もう話す事は無いと言わんばかりににクルっと振り返り、あっさりと病室を出て行った。
素っ気ない態度だが、医師なんて者はあんなものなのかも知れない…
「よいしょ…」
とりあえず、病室から出ても良いという許可を貰った私は、早速両替の為に売店に行く事にした。
精密検査の時に院内を連れ回されたお陰で、おおよその位置関係は頭に入っていた。
私は自分の物だと思われる財布を、病院から貸与されている白とピンクのストライプのパジャマに着いているポケットに突っ込んだ。
そして、その格好のままで病室を出た…
病室を出ると左右に伸びる一直線の廊下があり、左側は病室が並び非常階段で行き止まりになっている。
私の病室から出た正面は談話室になっていて、その向かって右隣がナースだ。
そのナースセンターを通り過ぎると、病棟の中心にエレベーターが設置されている。
私の病棟は本館2階の脳外科、同じ階のエレベーターを挟んだ反対側には別の科がある様だ。
私はエレベーターを使い、売店がある1階に向かった。
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