ミ ガ ワ リ


名前は全部で5人。
一体この人達は…


一番上にあるのは、「INOUE」の文字。

私は電車の中で渡された、由衣の電話番号を書いた紙を取り出した。


同じだ…
となると、この5人はかなり親密な関係にあったという事になる。

「あ!!」

私はその名前の中に、「TAKAMIYA」という文字を発見して驚いた。


もしかしてこれは、病院で会った高宮さん?

今思えば、彼は私の事を知っているかの様な口振りだった。

なぜ…
全てのデータを消去した私が、なぜこの5人だけのアドレスを残していたのだろう。

一体この5人とは、どういう繋がりがあるのだろうか?


「ふう…」

私は大きな溜め息を吐き、目を閉じた。

今考えても分かる筈がない。とりあえず今は、自分が出来る事から始めよう。


私は実家の電話番号を探しているうちに見付けたバイト代の残りらしき現金と、渡されていた鍵を持って部屋を出た。


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