急いで箱に近付くと、開いた状態の蓋を閉じる。
やはり!!
その段ボール箱は、実家から送られてきた物だった。そしてそこには、送付票がしっかりと貼られていた。
私はその送付票を引き剥がすと、それを持って携帯電話を開けた。
料金の支払いがどうなっているのかは分からないが、通話は可能だ。
送付票に書かれた電話番号をプッシュし、携帯電話を耳にあてた――
しかし、何度コールしても一向に繋がらない。土曜日という事もあり、外出しているのかも知れないし、もしかすると仕事なのかも知れない。
家庭の事情が全く分からない状態では、夜にでもかけ直すしかなかった。
「あれ?」
私はその時、ある事に気付いた。データが全て消去されている筈の携帯電話のアドレスに、数人の電話番号が登録されていたのだ。
アルファベットで入力されていた為、私は気付いていなかった。
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