閉ざされたままだった薄いピンクのカーテンを開けると、明るい日射しが部屋一杯に広がった。
ベッドには白いスエットスーツの上下が脱ぎ捨ててあり、とても帰ってくるつもりがなかったとは感じられない。
16インチのテレビの前にあるテーブルには、ノートパソコンが置いてある。コンセントが差し込んだままになっている所を見ても、どうやら私は何か突発的な事が起こり、自殺を選択せざるを得なかった様だ。
一体何が…
そうだ。
まず家族に電話をしなければ、連絡がつかず心配しているかも知れない。それに、今の私には生活費も何もない。
きっとどこかに、自宅の電話番号が分かるものがある筈だ。
私はテレビが乗っているボードやその隣にあるカラーボックス、それにタンスの中を隈無く探したが、自宅に関する物は何も見付からなかった。
半ば諦めた時、キッチンにある段ボール箱が目に入った。
仕送り?
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