それから3日後、私の傷は殆ど塞がり、もう普通に動ける様になっていた。
午後になり、以前の様に受付ロビーに散歩に向かった。
もしかすると、高宮さんに会えるかも知れないと淡い期待をしていた。
しかし、入院もしていないと分かった今、それは本当に儚い希望に過ぎず、私は1人で受付ロビーのベンチに座ってぼんやりと玄関を眺めていた。
高宮さんは、一体何者だったのだろう…
そんな時、玄関から1人の若い女性が入ってきた。
私と同じくらいの年格好だが、入院中で自宅の場所すら分からない私とは違い、膝上のミニスカートにブーツ、それに髪は茶色で派手なメイクをしている。
私もあんな格好をしていたのだろうか?
そんな事を考えながら眺めていると、その女性はどんどん私に近付いてきた。
胸元が大きく開いたシャツに、クルクルと巻いた髪。これなら、街中でも注目を集めるに違いない。
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