私はその様子を、ただぼんやりと眺めていた。多量の出血により、意識が朦朧としていたのだ。 直ぐに目の前の景色がチラチラと点滅し始め、音も途切れ途切れになってきた。 遠くから、大勢の足音が近付いてくる… 看護師長と松山さんを避け、ライターが私の方に駆け寄ってくる影が微かに見えた。 助かった… でも、私は助かって良かったのだろうか? 本当は、あの2人に殺された方が良かったのではないのだろうか? 私はそのまま、その場で意識を失った―― .