次の瞬間、私は何者かに突き飛ばされ、廊下の壁にぶつかった。

何がなんだか分からず振り返ると、あのライターが立っていた!!


「大丈夫か!?」

「え…?
な、なぜここに…」

私は状況が全く掴めなかったが、そのライターと私の間には、金属バットで頭を割られた看護師長とメスで胸を突き刺された松山さんが立っていた。

「こ…こんな」

「ご、ごめんなさい、お義母様…
こんな筈では…」


目の前で、頭から噴水の様に血を噴き出した看護師長が前のめりに倒れた。

「お、お前のせいだ!!」

もう一度私に襲いかかろうと金属バットを振り上げると同時に、松山さんの口から真っ赤な鮮血が飛び出した。

その血は止まる事もなく、まるで滝の様に口から溢れてきた。

そして持っていた金属バットが、甲高い金属音ともに力無く廊下に転がった。


「こ、殺してや……る――…」


松山さんは、その場に崩れる様に倒れた。


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