ミ ガ ワ リ


「身体が…身体が動かない!?なぜだ!!」

松山さんが高宮さんに抑えられ、身動きがとれない。

私はまだ迷っていたが、高宮さんの言葉を思い出し、一気に松山さんの横をすり抜け扉を開けて廊下に出た。

そして、もつれる足で必死にMRI室から離れる為に、壁に手をやりながら必死で走った。


だが、元々昨日襲われた時に脇腹と背骨を痛めていた私は、思う様に走れなかった。

こんな時、誰かが来てくれれば助けてもらえるのに!!


その微かな希望は、廊下を直角に曲がった場所で叶えられた。そこに、看護師長が立っていたのだ!!

帰りが遅い私の様子を確かめる為に、ここまで来たに違いない。


私は看護師長の元に急いだ。

「ま、松山さんが…
松山さんが、MRI室にいたんです!!」


振り返っても、松山さんはまだ追ってきてはいなかった。

「看護師長、早く逃げましょう!!」


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