ドーナツが好きってだけだけど(仮)


「えぇー、ありえない!夢あんた物理も
 再試験なの?」


「しょうがないじゃん、毎日部活で勉強
 する時間ないの!」


「それは半分そうでも、あとの半分は良い
 訳!
 ハードな部活しながら成績キープしてる
 人はたくさんいるんだから」



奈々ちゃんは夢ちゃんの解答用紙を見て呆れ顔だ。
ほとんど解答欄を埋めてはいるものの、
バツばかりだった。



「夢ちゃん一体、何教科再試だったの?」


点数が低そうな解答用紙の束を見やり恐る
恐るたずねると、夢ちゃんは朗らかに

「今回は3教科だけ。ウチにしてはマシな
 方だよ」


と答えた。
確かにもっと酷かった時を知ってるけど、
二年になってもこれじゃまずいんじゃない
か…


「物理と…あと数学がダメなのはまぁ分か
 るとして…夢、何で家庭科が再試なの!
 
先生かなり範囲しぼってくれてたのに」


「包丁の切り方とかが全然覚えられなかっ
 たんだよ。料理なんて全然しないしー」


「このくらい頑張れば覚えられるでしょ。
 もー、少しは智ちゃんを見習ってよ。
 
 ……あっ、そういえば内田くんも家庭科
 スゴかったよね」



奈々ちゃんのその言葉で、家庭科で内田
くんに負けたことを思い出した。