ドーナツが好きってだけだけど(仮)



そもそも高校に入ってまず最初に二人に声
をかけたのは、二人がくせのない人間だっ
たからだ。


二人はクラスの中で派手でもなければ暗く
もない、どんな人にも対応できる標準さを
持ち合わせていた。


そんな彼女達と過ごすのが、人と対立する
ことなく平穏無事な高校生活を送ることを
望む自分にとって居心地が良かったのだ。



だからそんな風に考えて計算づくで友達を
選ぶ私の方が、よっぽど最低だと自覚して
いる。

もう1年以上友達で居てくれてることに感
謝しなければ。


「そんなことないよ~。智ちゃんは美人で
 賢くておまけに優しいんだから、圭太く
 んと充分釣り合ってるよ」

「完璧な智香で釣り合わないなら、他の
 女子はみんな無理だって」


二人は大きな声で反論した。

いつもは付き合わないとハッキリ言うの
に、今回は釣り合わないからなんてごま
かしたのには理由がある。


それは私も高校の内に一度は誰かと付き
合いたいと思っているから。

そして外山圭太は今まで見てきたこの
学校の男子の中で、群を抜いて理想的
だった。


もし付き合うならきっと彼が望ましい。

背が高くてカッコいいし、テストは私に
次いで2位と成績も良くてどこも文句が
ない。