「私だって毎日は自分で作ってないよ。
 ……外山くんは今から部活?」


「あっ…そうだけど、でもまだ時間あるから」


外山くんがチラッと私達のテーブルに目線を向けた。
私以外の鞄が2つイスに掛けてあるのを見つけると、残念そうな顔をして



「……それで飲み物買ってこうと思って
 食堂に寄ったんだ」


と付け足した。
どうやら一人で座っていた私に昼食を
食べようと声を掛けたものの、私が友達
と一緒だったから諦めたのだろう。


「そっか。サッカー部いつも朝早くから
 練習してるよね。すごいよ。」



「あぁ。皆も顧問も今年は県大会行くっ
 て張り切ってるんだ。
 俺もキャプテンまかされたからには皆
 を引っ張ってかないとな、ってね」



外山くんがニカッと笑うと、眩しい白い
歯がのぞく。
しゃべり方も爽やかで、初対面でも話し
掛けやすい雰囲気があるのが彼の魅力。


私同様に、学校中からの憧れを一身に集
めてるだけのことはあるなと思った。



外山くんの後方、遠くの方から夢ちゃん
達が食事をのせたトレーを持ってこちら
に来るのが見えたので、

私は早く会話を切り上げることにした。


「今から私、友達とお昼食べるんだ」



夢ちゃん達の方をみながらそう言うと外
山くんは、夢ちゃん達が来る前に去ろう
と思ったのか

じゃあ、またねと言いながら急いで背を
向けようとした。



さて、私の予想が当たっているかを試す
なら今だ…