いちおう奈々ちゃんの解答用紙を確認す
ると、やっぱり書けていない。

よし、この問題は例外だ。
今回のテストも私が総合一位で間違い
ないだろう。


「最後の難しすぎるってー
 先生何でこんな問題出したんだろ。
 絶対無理じゃんね。
 
 …………あっ、でも内田君がここあっ
 てたよ!」


「えっ?」


内田くん…
信じられない。この問題が分かるなんて


「さっきたまたまチラッと見えたんだけ
 どねー、しかも100点だったから
 なかなかやるよね」


「…そうなんだ。内田くんすごいね」



奈々ちゃんにはそう答えたものの、内心
相当驚いてそしてかなり焦った。


内田くんは授業ではあまり手を上げない
から勉強は苦手な方だと思っていた。

でも最後の問題だけでなく、他の問題ま
で全部合ってるとは…


あぁ、くやしい
悔しい
悔しい!!



家庭科以外は全部合っていただけに、
悔しい気持ちが膨れ上がる。



今度の家庭科では絶対満点を取ろうと
誓いながら、


〝糸の宝石〟

赤ペンを持ち、解答用紙に今回のテス
ト直しで唯一の言葉を書き込んだ。