「ここに行けば全て大丈夫。・・・って!ここすっごい山奥ですよぉおおお」


改めまして、私
篠原苺(シノハラ マイ)
高校2年が始まる前。つまり春休みなう


突然の事故で唯一の家族だったお父さんが死んじゃったのがつい最近

そして、お父さんの同級生の超セレブおじさんに連絡をもらったのもつい最近


今私は、県外の山奥にいます


「どうしよう。これは道に迷ったとかいうやつかな?そもそも道ないけど」


セレブおじさん、いや。
『千賀劉三』(チガ リュウゾウ)さんに会ったあの時


「うちにきてくれませんか」
「徹への恩返しをさせてください」


と言われ、一応断ったんだけど

「それはできません。うちにこないのであれば、ここからあなたを出すわけにはいけません」

とほぼ強制的に劉三さんの家に行くことに決まったのですが。


「あれじゃぁ、脅しだよ」


今思うと、もしかして騙されているんじゃ・・・?


完全に山の奥で迷子になっている私は溜息をついて、ふと来た道を振り返った


「殺風景。てか木しかないし。」


劉三さん曰く、この山の頂上に劉三さんの別荘があるらしく
そこにいる『かなと』って人に事情を話せばすべて通るとのこと。


最初は、執事の