「だって、琥太郎くんなんてまだ中学三年生だよ?むしろそっちが受験で忙しいんじゃないの!?」
そう、二つ下だから。
琥太郎くんが受験生だから!
「琥太郎くん、中高一貫の男子校行ったんだって!しかもあの超一流校」
「そ、そっかぁ〜」
うん、中高一貫で超一流ならそれも納得。
ていうか、琥太郎くんそんなに頭良かったんだ。
なんか複雑だなぁ。
わたしがお姉さんだったのに。。。
「お母さんね蜂谷のおばさんと話が盛り上がっちゃってねぇ、早速今日から琥太郎くんに家庭教師頼むことになったの〜」
「!?」
はやい!はやいよお母さん!
今、部屋汚いんだからぁ〜
急いで片付けないと……
「りほか、部屋が汚い〜って。焦ってるでしょ〜?」
「うっっ」
お母さん、すごい。
エスパーかもしれない……
いや、そんなこと考えてる前に部屋掃除……
「うふふ。そんな、りほかに。秘密基地のご案内でーす」
「秘密、基地?」
「ほら、2人でよく遊んでたところよっ」
お母さんはそう言って、メモを渡してくれた。
メモにはごちゃごちゃとした絵が描いてある。
これじゃなにもわからないよ〜。
「秘密基地に行ってる間に、お母さんが片付けてあげるわよ〜。琥太郎くんにもここに来てくれるように言ってあるからっ」
お母さん……。
やっぱりメルヘンっ気が抜けてない!
「ほら、りほか。コートも着て、ほーらマフラー巻いて!いってらっしゃ〜い」
「ちょっ、ちょっとおかぁさーーん!」
そうしてわたしは、「琥太郎先生」がいる「秘密基地」を探しにいく旅に出たのでした!
強制的に!
