「何だったんだ...。」

「不思議な子だったねぇ。
十夜を『王我』の総長と知ってて近付いたのかな?」

晴久は小首をかしげながら、女の消えた方向へと目をやる。
しかし、人混みの中からその女を見つけることはできなかった。

「あっちぃ!!
さっさと倉庫に戻ろうぜー。」

雷雨のその言葉で、三人は歩き始めた。

三人は気づかない。
女を中心として、死霊がざわついていたことを。












プルルルル プルル ピッ

「もしもし?
今、たまたますれ違ったから見てみたけど、すごい逸材だね。
そばにいる二人もなかなかだよ。類は友を呼ぶってやつかな?
......うん。うん、わかってる。資料を送っといて。うん、それじゃあ。」

プツンッ

「さて、と。
行動開始...かな?」