視界のなかに、皆が驚いてるのが見えた。
そりゃあり得ないよね。軽く5メートルは跳んでるし。

あぁ、そろそろ回っとかないと、タイミングがずれるな。

「よっと。」

さぁ、怪物。
お前の硬さを試させてもらうよ。

ズドンッ

怪物の頭に落ちてきたのは、私のかかとおとしである。
うめく怪物をよそに、私はかかとおとしの反動を使って鮮やかに着地した。

そこそこ硬いな…。
というか、地味に弾力があって、衝撃が吸収された感じ。
もっと力強くいかないと、決定力に欠ける。

まぁ、でも………

「雑魚だな。」

強いとは全く思わない。

さて、次の攻撃に移りますか。

その場から一気に加速して、怪物の後ろに回り込む。
私を見失った怪物は、キョロキョロとその巨体を左右に揺らした。

「ここだよ。」

そう呟いてから、怪物が振り向くより先に拳をぶつける。
下から上に振り上げられた拳が、巨体を宙に吹き飛ばした。

「すっげぇ…。」

唖然とした声音で雷雨が呟くのを聞いた。
もっと誉めてくれたっていいのよ?