祓って、恋して、戦って~strong my partner~

校門辺りまで来たとき、ちょっと化粧濃いめの女子が話しかけてきた。

「あ、あの、十夜様?
そのかたはいったい……。」

うーん、人差し指を向けないでほしい。

「えっと、私は…わっ!?」

「俺らの姫だ。」

びっくりしたー。
急に肩を抱き寄せるもんだから、よろけちゃったじゃないか。

「な、な、な………。」

女子は顔を蒼白にして目を見開いていた。
結構美人さんだから、そんな顔すると勿体ないよ。

「行くぞ。」

「ぅわわ。
ちょ、引っ張らないで。こける!」

「こけとけ。」

ひどいっ!!





そんなこんなで倉庫に着きました。

「ほんとにこけた……。」

「災難だったわねぇ。怪我は?」

「天才的なほど綺麗な受け身をとったからありません。」

あれは奇跡だと思う。
あの時、あの態勢でよく無傷で済んだものだ。
どんな態勢だったかはご想像におまかせしよう。

「十夜。優しくしなきゃダメだろ。」

「……。」

無視かコノヤロウ。
三早がすごく優しく声かけてんのに、なんて失礼なやつなんだ。