睨んでいるようにも見えるその表情に、雷雨の顔は青ざめる。

「わ、悪かったよ...。」

十夜は雷雨を見続けていた。
焦りまくる雷雨。

「いや、ほらさ、ビックリしたんだよ。
だから、思わずって言うか......な?」

冷や汗を垂らしながら、一生懸命に弁解する。
すると、十夜は口元を緩めて言った。

「ふっ。
別に大して気にしてねーよ。
ただ焦るお前を見たかっただけ。」

「へ?」

「それにしても、今日はやけに霊がざわついていないか?」

すっとんきょうな顔をした雷雨を無視して、十夜は晴久へと声をかける。

「んー、そういえばそうだね。」

「え、なにこれ。俺、弄ばれただけ?」

「何かあったのか?」

「おーい、返事プリーズ。」

「かもね。なんか嫌な感じがする。」

「......ぐすんっ。」

「一応、気を付けとくか。
わかったな、雷雨。」

「!」

声をかけられた雷雨は、激しく頷いた。